ブックメーカーの歴史

スポーツの歴史=ブックメーカーの歴史
人がスポーツにお金を賭ける行為は、記録に残されているだけでも、ギリシャで初めて行われたオリンピックまで遡ることができます。その後、各国で様々なスポーツが生まれましたが、そのほとんどが賭けの対象でした。スポーツの発展の裏には必ず賭けの対象としての側面があるのです。


現在ブックメーカーの原型は20世紀になってから
古くから行われてきたスポーツに対する賭けですが、ブックメーカーとして合法化され、各国の政府がその存在を認めるようなったのは20世紀に入ってからです。

現在のブックメーカーの原型となったのが競馬への賭けを取り仕切っていたグループです。ただし彼らは競馬以外のスポーツに賭けをしなかったため、ブックメーカーの存在はそれほど大きくはならなかったようです。

その後、TVの普及と合わせてブックメーカーは急速に発達します。アメリカやイギリスでプロスポーツが急速に発展するにつれて、ブックメーカーが野球やその他のスポーツに対する賭けを提供を開始、賭けを行う人が増大しました。

特にイギリスではサッカーに対する賭けの人気が年を追うごとに高まっていき、政府としても無視できないレベルに達します。イギリスでは法を整備して政府の管理下でブックメーカーの営業を合法化することを決めます。(アメリカのブックメーカー合法化はイギリスでの合法化から20年ほど遅れて行われました。)


合法化とともに急成長
イギリスは1961年に国内のギャンブル法を一新し、ブックメーカーをライセンス制としました。その結果1万社ものブックメーカーがライセンスを取得しています。

一方でほとんどの州でスポーツブックを禁止したアメリカですが、政府の思惑をよそに、違法ブックメーカーの人気は衰えず、賭けの対象は大学フットボールやバスケットボールなどにどんどんと拡大され、賭けに参加する人の数は増加する一方でした。


オンラインブックスポーツブックの登場
インターネット黎明期1997年、非合法ながらも圧倒的な規模を持つアメリカの市場に注目した一部のブックメーカー達はオンラインスポーツブックを考案。彼らは主に南米やカリブ海の島々から運営を行っており、当時は電話によるベットの受付が主流でした。

2000年に入るとオンラインギャンブルが合法化されたイギリスのブックメーカーがオンラインビジネスに参入します。クレジットやウェブウォレットでの決済が可能になったこともあり、ますます多くの人がスポーツギャンブルに参加することになりました。


さらなる発展
かつては競馬だけだった賭けの対象は世界中のあらゆるスポーツまで拡大されただけでなく、各国の株式市場、コンテスト、選挙などにまで広がっています。(倫理上、戦争、災害などにオッズをつけることはタブーとされているようです。)

イギリスでは2005年頃からTVCMや雑誌広告やスポーツチームへのスポンサー活動なども活発に行われるようになった結果、スポーツブックメーカーのロゴや広告表示が、サッカーなどのメジャースポーツ中継を見れば必ず目に入るようになりました。

広告効果もあってブックメーカーの売上は毎年増え続けており、アメリカでは成人の人口の15%が年に1回以上の賭けをスポーツブックで行うという調査結果が出ています。

ついに20兆円を超えたと言われるスポーツブック市場ですが、オンラインスの売上比率が増えており、主要ブックメーカーの収益の30%がオンラインの売上となっています。